蛍光灯が宇宙になったなら

底辺雑記ブログ

フィクション

「現状は最悪だ。精神的にも社会的にも僕の身は危うく、体力も雀の涙ほどしか無い。これは非常にまずい状態だ。ところで君は死について考えたことはあるかい?僕はある。とは言ってもこの世から脱した人達―僕は自殺した人のことを決して''逃げた"なんて形容…

私をギャルと形容した男

「ギャルみたいだね」 マッチングアプリで出会った、ジージャンを羽織ろうとした私に向かってそう言い放ったあの男のことは、きっと忘れることができないだろうと思う。 ワンナイトラヴ… 24歳だという彼はマッチングアプリのチャットで性行為しないかと持ち…

19歳、狭間と違和

私は先月19歳になった。時の流れというものは早いもので、中学生の頃は早く大人になりたいなんて思っていたのに、いつの間にか大人になりたくないと思ってしまっている。 大人になれば自由が待っているとばかり思っていたのに、自由になれば希望があるとばか…

夏の地方都市にて

某日。 むせかえるような暑さと、煩く耳を支配する蝉の鳴き声を背に、私は地方都市の駅の近くを目的もなく歩いていた。 お世辞にも高いとは言い難い雑居ビルの熱風を体全体に受け止めて、人混みを掻き分けてゆく。 道端。端正な顔立ちをしているお兄さんと目…

かけ離れた自分自身

私を取り囲む人間は、私という人間を理解したふりをして、私という人間の構造を決めつけて、私という人間を苦しめてきたような気がする。 気がする、というのは単純に私という人間の心が弱いだけで、私はそんな人間ではない!と主張できる強さがなかったとい…

秋葉原・メイドカフェデビュー

メイドカフェ。 それは、陽キャラも、陰キャラも、社会不適合者にも、みな等しく萌え萌えキュン!美味しくなぁ~れ♪の魔法をかけてくれる、平等な空間。 私はそんな空間を体験してみたく、ヲタクの街秋葉原へと向かった。 秋葉原駅周辺は他の都市と比べると…

都会の魔物

茨城の辺鄙な田舎で生まれ育った私は、都会への憧憬とコンプレックスを抱いていた。 田舎者の性根が丸出しである。 何せ実家は最寄り駅からは遠く、その駅には自動改札機もない。都会や地方都市の駅では近くに行くとピッとICをタッチする機械音が連続的に聞…

はぐれ者の苦い青春の中身はライトノベルと漫画で出来ていた

学校とは、明るく活発で能力のある人間だけがヒエラルキーのトップを占める、哀しき鳥かごである。 ガンジーが非暴力を掲げたインドの国では未だにカースト制度が蔓延しているが、制度化・表面化していないだけで日本の学校はカーストに囚われているのではな…

ヴァージンの喪失

私は小中高とモテない女、通称喪女であった。 人は穴モテな勘違いヤリマン女に、「勘違いすんなよお前はモテてるんじゃなくてただの穴モテだから(笑)」と言うが、そういった男の性欲に起因するモテすらなかった。 悲しい話である。 そこで始めたのがマッチ…

ホストクラブ・ヴァージン

いつの間にやら、つくばエクスプレスで新御徒町に行き、それから少々の加齢臭が漂う都営大江戸線を乗り継ぎして東新宿を訪れていた。 私がホストクラブに行くことになったきっかけは、マッチングアプリである。彼はプロフィールにでかでかと「ホストをしてい…